Home > ★5円引きが綴る情景      

★5円引きが綴る情景       Archive

外面似菩薩、内心如夜叉 ~5円引き with H少年からの贈り物 その11~

サドラ

★ 5円引きが綴る情景 015

 古拙の微笑。つまりアルカイック・スマイル。を湛えたウルトラマンは、金城哲夫氏のコスモポリタニズムを投影した、慈愛の化身でなくてはならない筈です。写真のように、己が殺傷した相手に対しての不敬、況してや胴体から頭部を両断するなどという凶行を働いた上に、まだ生温かいであろう生命の残滓を上掲して気色ばむ非礼はこれ、断じてあってはならぬもの。敵方の生首を弄んで亡骸に鞭打つ行為は、そう、蛮族だけがし得る死者への冒瀆です。又候お誂え向きに目とカラータイマーの電飾が消灯しており、光輝と生気が失せた外貌はまさに悪鬼、夜叉。金城氏が希った姿とは、まるで真逆の阿修羅を体現していますね。
 勿論斯様なシーンは本編にはなく、ブロマイド撮影の為にと、カメラマンと演者が現場のノリで取り決めた即興と推されます。その狙いも、「恐ろしい怪獣を倒したウルトラマンの雄々しき勝鬨」なんて感じで。でもこれが藪蛇。「相手は子どもなんだから」って見縊りが、却って頓痴気な結句に。こういった原作者の企図を意に介しない不遜は...実は割りと好きな方です。自己の記憶とちょっとズレたウルトラマンや怪獣に出逢えるのも、5円引きブロマイド蒐集の愉しみのひとつですから。
 ところでH少年からの贈り物に、写真の不遇者、即ちサドラの消しゴムが在りました!併せて画像を載せておきます。(怪獣ラァーヴ)

vlog-H011.jpg
岩石怪獣 サドラ ~ 『帰ってきたウルトラマン』
            第3話 「恐怖の怪獣魔境」ラァーヴ!!

Data :

  • サドラ  : 詳細不明 (    年)

帝王の名折れ

5円引き 014

★ 5円引きが綴る情景 014

 「てんめェ、殴るぞこの野郎!」
 「ダンナぁ、勘弁してくだせぇ」
 そんな台詞の応酬が聴こえてきそうな一葉です。
 “宇宙の帝王”を自得するバド星人ですが。侵入した宮部邸では、黴臭い遣り口で以って、か弱き金髪夫人を怯えさせたり。ウルトラセブンに対して降参の仕草を示しながらも、油断を衝いてメリケンサック(!)で奇襲に出たり。まあ姑息な事、帝王の矜恃は何処へやら...。
 ところで『ウルトラセブン』では、「参った」と見せかけて逆襲に転じる手合いが、幾つか見受けられます。では、バド星人以外の醜類を以下に。

  • ■ ペダン星人  : 多少の非を認め和解を約束するが、あっさりと背信行為に。(第15話)
  • ■ シャドー星人 : 偽りの降伏宣言、一度ならず二度までも。           (第23話)
  • ■ プラチク星人 : 降参ポーズで欺き、背を向けたセブンに反撃。        (第30話)
  • ■ テペト     : 平身低頭で拝み謝り、手を緩めたセブンの足を掬う。    (第41話)
                                           (怪獣ラァーヴ)


ハイシ、ドードー

グビラとウルトラマン 5円引き 013

グビラとウルトラマン 5円引き 013 グビラとウルトラマン 5円引き 013

グビラとウルトラマン 5円引き 013 グビラとウルトラマン 5円引き 013  
 

★ 5円引きが綴る情景 013

 

♪グビラにまたがりおうまのけいこ♪

 強靭な怪獣を捩じ伏せる我らがヒーロー!その英姿を讃える、しかし執拗なまでの活写、5枚。全体幾種の類似写真が存在するのでしょう?
 先鋭的なウルトラマンの風貌と、流麗なアウトリッヂを描くグビラの姿態。両者が折り重なったシルエットに、モダァーンの図形が見えてくるではありませんか!?ほら。“きわめて今日的なほほえみで 流線形のスクーターへ” なんて、ハルメンズの歌じゃあないけど。(怪獣ラァーヴ)

[ハルメンズ 「リズム運動」より抜粋                 
『ハルメンズの近代体操』(1980年10月 ビクター音楽産業)収録 
作詞:太田螢一


双鞭の警策

ナース 5円引き 012

★ 5円引きが綴る情景 012

 背後から迫るツインテール。先ずはウルトラマンの足首にガブリ、そして二本の鞭状の尾で顔をギュウギュウに締め上げます。ショック攻撃で辛くも雁字搦め地獄から脱したウルトラマンですが、エネルギーの激甚な消耗で、瞬間その場に膝をついてガクリ...。
 第5話「二大怪獣 東京を襲撃」のクライマックス、ウルトラマンの窮地を切り取ったひとコマです。画像のブロマイドは、両者の電飾部が消えているところから推して、おそらくは本番の合間に撮影されたものなのでしょう。大怪獣を背に端座したウルトラマンの姿が、何とも奇異に映ります。
 坐禅中の修行僧が惰気を催し、背後の住職がすかさず警策でピシャリと一喝!眠気が吹っ飛んだ坊主、畏まって辞儀。そのような禅寺の状景を髣髴とさせる、味わい深い一葉です。(怪獣ラァーヴ)

vlogu5yen12b.gif

人着の世界02 堕ちた竜


ナース 5円引き 011

★ 5円引きが綴る情景 011


 (本来は)シャンパンゴールドの光輝が眩いナース。ですが印刷物としての映え方、色味の欠如に難があったのでしょう。黄の彩りを点した結句、ご覧のような為体。美麗で高貴な宇宙竜のイメージが転覆、あられもない姿に。糅てて加えて人着によるセブンの赤も薄汚なく、両者が絡み合う色調の下衆なこと、下卑なこと。(怪獣ラァーヴ)



ナース 5円引き 011


エルンストの絵のような

ドドンゴ 5円引き 010ザラブ星人 5円引き 010
キーラ 5円引き 010サイゴ 5円引き 010

★ 5円引きが綴る情景 010

 怪獣たちを囲繞する樹木や下生え。世田谷区砧辺りの雑木林なのでしょか?ともあれ。植物の群生に融け込む姿が、何とも奇異に映ります。
 シュルレアリスムの画家マックス・エルンスト(1891-1976年 ドイツ)は、動物や植物、鉱物などがドロドロに溶け合ったような森を、画題として好んでよく描きました。エルンストと同じ前衛美術家・成田亨氏が、シュルレアリスムの技法であるオートマティズムやハイブリッドを駆使して創り出した数々の異形たち。画像にあるドドンゴやザラブ星人、キーラやサイゴらも、勿論例外ではありません。
 ならば、植生の中に怪獣を佇ませるこの配慮。意趣を解さなかったものだとしても、満更野暮天でもないのでは?半開きのテキトーな目で観れば、エルンストの絵画作品『生きる歓び』(1936年)に通底するでしょう。いや、どうかなぁ...。(怪獣ラァーヴ)




撮らんぽりん

5円引き 009

★ 5円引きが綴る情景 009

 ウルトラマンの超身体能力を支える源。それは...トランポリンでしたー!
 飛翔するテロチルスを追うべく、颯爽と跳躍するウルトラマン。しかしその足許には、カンバスシートを張っているロープと枠が...。
 明らかに撮影ミス、子どもに見せちゃいけない部分。不粋以前に、あまりの緩さに呆れてしまいます。出来れば撮らないで欲しかった、超人の種あかし。恥部。憧れのウルトラマンが、仲本工事に成り下がった瞬間です。もちろん仲本工事さんに他意はありませんが。寧ろ好きですし。(怪獣ラァーヴ)


めがね

すずせいじん

5円引き 008

★ 5円引きが綴る情景 008

 テレビ番組における特撮物の創成期は、当然まだCGなど無く、画像補正がお手軽ではなかった時代。(怪獣の中に)人が入っている事を気取られぬよう、着ぐるみや操演に趣向を凝らしてみたり。また、戦闘機などの飛行シーンを勇壮に見せるべく、模型を垂下させているピアノ線の糊塗・掩蔽に血道を上げたり。そういった労苦のあれやこれやがあったればこそ、本邦分野の金字塔は、未だ燦然と光輝しているのだと確信しています。
 而るに、このベル星人はどうでしょう。滑空する擬似空間の主を捉えた一葉ですが...四肢並びに指先に漲る硬直の度し難さは、最早生ある者のの写しとしては映じません。はい、これぞ飛行シーンの為に拵えられた縮尺モデル、つまり早い話しが吊り模型、身も蓋も情味も含蓄も無い、紛うかたなき人形です!
 上掲のような制作サイドの苦心惨憺なぞ何処吹く風。劇中ならば刹那で流れ去り、出来得る限り隠し通したかった“粗”をば、敢えてフィックスしてこます無神経、暴挙、不粋、いけず。別に悪意は無かったのでしょうけれど、子どもの目であっても、いや幼い眼力だからこそ、そう易々と誤魔化されるものではありません。
 さて、この5円引きの裏面。拙い書体による“すずせいじん”の文字が、何とも愛くるしいではありませんか。(怪獣ラァーヴ)

べるせいじん
5円引き 008
すずせいじん

モンブラン(Mont Blanc)

5円引き 007

★ 5円引きが綴る情景 007

 伝説怪獣ウーにマウント・ポジションを取られ、最早グロッキー状態のウルトラマン。幽玄なイメージを覆して、意想外に武闘派な雄姿を見せるウーです。
 勿論ドラマ本編に、このようなくだりはありません。特写の為にと、演者らが即興でとってくれたポーズなのでしょうか。ケレン味に溢れます。将又実際に本編フィルムには撮られたけれど、後にオミットされたものなのか。あれこれと想像を掻き立てられる一葉です。(怪獣ラァーヴ)


ロッキー山脈状態のモンブラン

右往左往

5円引き 006

5円引き 006


★ 5円引きが綴る情景 006

 版下版上の工程において、何故こういった反転ミスが生じるのか。門外漢なので印刷方面についてはとんと昏く、込み入った内情など与り知りませんが。5円引きブロマイドを蒐集しているとしばしば出会す、「あれ?正しいのはどっち向き?」なんて、小生意気にも煩悶させてくれる面倒くさいエラー物です。
 では設問。ノコギリンの大顎に挟まれるウルトラマンの危地。果たしてどちらが正方向なのでしょうか?...嵌めているブレスレットを見れば一目瞭然ですね。(怪獣ラァーヴ)



市井に佇む鳥人

5円引き 004

★ 5円引きが綴る情景 005

 スーツが製作された高山工房の近所なのか。円谷プロの根城・砧界隈なのか。いずれにせよまだ撮影前の段階なのでしょう。ピッカピカの真新しさが眩いウインダムです。
 等身大のウルトラ怪獣が街中に...。見慣れぬ光景は奇異に映りますが、ショッカー怪人とは違った“センス・オブ・ワンダー”がそこにはあります。尤も子どもの時分は、こういった「テレビとは違う」舞台裏の写真を見るにつけ、そのズレた雰囲気に馴染めませんでした。しかし今となっては、冒頭のような憶測を巡らせてみたり。味わいや愉しみ方も、自身の経てきた星霜と共に変遷してゆくものですね。(怪獣ラァーヴ)


人着の世界01 禍々しい空模様

5円引き 004

★ 5円引きが綴る情景 004

 白黒写真を色付きで見たい。見せたい。そのような願望の結実とも言うべき人工着色、所謂“人着(じんちゃく)”による似非カラー写真。5円引きブロマイドの時代は、まだこの旧式の技術が調法されていました。懐かしい...。
 さて、バラージでの一戦を捉えた一葉ですが。折角の着彩であるにも関わらず、ひたすら黒く塗り潰されたアントラーが不気味です。加えて、この世の終わりのような空!シアン・マゼンダ・イエロー・ブラックの4色が織り成す、まさにカタストロフィ。舞台を中近東に据えた物語でしたが、“異国情緒”なんて言ってらんない災厄っぷりです。
 2000年にバンダイから発売された玩菓シリーズ『ザ・ウルトラマンファイト』。これにラインナップされたウルトラマン対アントラーが、この“お馴染み”の対峙を準えています。そんな訳で、フィギュアを人着仕様に、逆にブロマイドの方をフィギュアの色彩に、それぞれ摺り寄せてみましたー。(怪獣ラァーヴ)


脱兎!MAT!

5円引き 003

★ 5円引きが綴る情景 003

 加藤勝一郎MAT初代隊長。演じたのは故・塚本信夫氏、当時38歳...。
 (自分が)隊長より年長となった今でこそ、こういったブロマイドを愛でる懐の余裕もありますが。昭和当時、これを引き当ててしまった少年らの不遇が忍ばれてなりません。MATの制服に身を包んでいるとは言え、やっぱり子どもからすればお父さんと同じ(或いは上の)“中年”ですからねぇ。主人公の郷秀樹ならいざ知らず、これをアソートしてこます側の、意地の悪さが芬々と漂って来そうな一葉です。
 で、その“中年隊長”の加藤が、マットビハイクルから颯爽と駆け出そうとしている瞬間ですが。緊張感ある主体とは裏腹に、周囲を見れば安穏とした駐車場の風景が。そんな緩と急が同居する頓狂っぷりも、5円引きならではの魅力なのでしょう。(怪獣ラァーヴ)

ん?
脱兎さん?

地獄山にて

5円引き 001

★ 5円引きが綴る情景 002

 憧れのウルトラセブンに抱かれて、嬉しそうに手を揚げる坊や...。
 仮面ライダーならまだしも、ウルトラヒーローや怪獣たちが子どもらと昵懇にしている姿に対して、幼かった私はどうにも馴染めませんでした。児童誌の表紙や遊戯施設でのショーで見受けられる、こういったヒーロー(若しくは怪獣)と子どもとの交流。何となくそこに「押し付けがましい」ものを感じていたのでしょうか。或いは、単に捻くれ者だったのか。きっとブラウン管の中での超越的存在が、易々と市井なんかに融け込んで欲しくなかったのかも知れませんね。
 ところで、このブロマイドに写っている少年。誰あろう、「闇に光る目」(第16話)に登場したヒロシ少年ではありませんか。因みに彼(稲吉千春)は、『ウルトラマン』ではあの“怪獣殿下”(第26・27話)こと治少年も好演しています。さて。ヒロシ少年が劇中の服装のままで写っているという事は、ここは地獄山...ですね?(怪獣ラァーヴ)

ウルトラセブン       

おやじさん と がかくそくそうたい

5円引き 001

5円引き 001

科学特捜隊 

★ 5円引きが綴る情景 001

 プレス向けに催された第3回特写会。俗に謂われる「竜ヶ森撮影会」でのひとコマです。“おやじさん”こと故・円谷英二氏と主役のウルトラマンを中央に据え、出演者らと共に第8話登場の地底怪獣マグラーが和気藹々と「ハイ、チーズ!」。何とも心和む一葉です。(よく見るとウルトラマンの口の辺り、背後にベムラーの口腔が)
 怪獣と人間が同スケールで写真に納まり、剰えそこに本邦分野の創始者・円谷英二氏も居並んでいるという奇勝。本編では勿論見る事が出来ないこういった情景の実現こそ、5円引きブロマイドの魅力のひとつなのでしょう。
 そして5円引きコレクションにおける私なりの愉しみ方のひとつに、昭和往時の息遣いを今の時代に伝える“裏面の落書き”があります。この一葉の裏には、恐らくは「かがくとくそうたい」としたかったのでしょう、しかし耳から入った音をそのまま書き付けた結果、「がかくそくそうたい」と判読出来る文字がそこに残されました。更に上からマジック字で「しろた」とあるところから、持ち主の遍歴も垣間見えたりして、なかなか味わい深いものがありますよ。落書きって。(怪獣ラァーヴ)

 科学特捜隊

Home > ★5円引きが綴る情景      

Feeds
Links
Meta
Books
  • ウルトラ怪獣名鑑戯画報
     

  •  

  •  

  •  

  •  

  •  

  •  

  •  

  •  

  •  

Page Top