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2010年07月

人着の世界01 禍々しい空模様

5円引き 004

★ 5円引きが綴る情景 004

 白黒写真を色付きで見たい。見せたい。そのような願望の結実とも言うべき人工着色、所謂“人着(じんちゃく)”による似非カラー写真。5円引きブロマイドの時代は、まだこの旧式の技術が調法されていました。懐かしい...。
 さて、バラージでの一戦を捉えた一葉ですが。折角の着彩であるにも関わらず、ひたすら黒く塗り潰されたアントラーが不気味です。加えて、この世の終わりのような空!シアン・マゼンダ・イエロー・ブラックの4色が織り成す、まさにカタストロフィ。舞台を中近東に据えた物語でしたが、“異国情緒”なんて言ってらんない災厄っぷりです。
 2000年にバンダイから発売された玩菓シリーズ『ザ・ウルトラマンファイト』。これにラインナップされたウルトラマン対アントラーが、この“お馴染み”の対峙を準えています。そんな訳で、フィギュアを人着仕様に、逆にブロマイドの方をフィギュアの色彩に、それぞれ摺り寄せてみましたー。(怪獣ラァーヴ)


脱兎!MAT!

5円引き 003

★ 5円引きが綴る情景 003

 加藤勝一郎MAT初代隊長。演じたのは故・塚本信夫氏、当時38歳...。
 (自分が)隊長より年長となった今でこそ、こういったブロマイドを愛でる懐の余裕もありますが。昭和当時、これを引き当ててしまった少年らの不遇が忍ばれてなりません。MATの制服に身を包んでいるとは言え、やっぱり子どもからすればお父さんと同じ(或いは上の)“中年”ですからねぇ。主人公の郷秀樹ならいざ知らず、これをアソートしてこます側の、意地の悪さが芬々と漂って来そうな一葉です。
 で、その“中年隊長”の加藤が、マットビハイクルから颯爽と駆け出そうとしている瞬間ですが。緊張感ある主体とは裏腹に、周囲を見れば安穏とした駐車場の風景が。そんな緩と急が同居する頓狂っぷりも、5円引きならではの魅力なのでしょう。(怪獣ラァーヴ)

ん?
脱兎さん?

地獄山にて

5円引き 001

★ 5円引きが綴る情景 002

 憧れのウルトラセブンに抱かれて、嬉しそうに手を揚げる坊や...。
 仮面ライダーならまだしも、ウルトラヒーローや怪獣たちが子どもらと昵懇にしている姿に対して、幼かった私はどうにも馴染めませんでした。児童誌の表紙や遊戯施設でのショーで見受けられる、こういったヒーロー(若しくは怪獣)と子どもとの交流。何となくそこに「押し付けがましい」ものを感じていたのでしょうか。或いは、単に捻くれ者だったのか。きっとブラウン管の中での超越的存在が、易々と市井なんかに融け込んで欲しくなかったのかも知れませんね。
 ところで、このブロマイドに写っている少年。誰あろう、「闇に光る目」(第16話)に登場したヒロシ少年ではありませんか。因みに彼(稲吉千春)は、『ウルトラマン』ではあの“怪獣殿下”(第26・27話)こと治少年も好演しています。さて。ヒロシ少年が劇中の服装のままで写っているという事は、ここは地獄山...ですね?(怪獣ラァーヴ)

ウルトラセブン       

おやじさん と がかくそくそうたい

5円引き 001

5円引き 001

科学特捜隊 

★ 5円引きが綴る情景 001

 プレス向けに催された第3回特写会。俗に謂われる「竜ヶ森撮影会」でのひとコマです。“おやじさん”こと故・円谷英二氏と主役のウルトラマンを中央に据え、出演者らと共に第8話登場の地底怪獣マグラーが和気藹々と「ハイ、チーズ!」。何とも心和む一葉です。(よく見るとウルトラマンの口の辺り、背後にベムラーの口腔が)
 怪獣と人間が同スケールで写真に納まり、剰えそこに本邦分野の創始者・円谷英二氏も居並んでいるという奇勝。本編では勿論見る事が出来ないこういった情景の実現こそ、5円引きブロマイドの魅力のひとつなのでしょう。
 そして5円引きコレクションにおける私なりの愉しみ方のひとつに、昭和往時の息遣いを今の時代に伝える“裏面の落書き”があります。この一葉の裏には、恐らくは「かがくとくそうたい」としたかったのでしょう、しかし耳から入った音をそのまま書き付けた結果、「がかくそくそうたい」と判読出来る文字がそこに残されました。更に上からマジック字で「しろた」とあるところから、持ち主の遍歴も垣間見えたりして、なかなか味わい深いものがありますよ。落書きって。(怪獣ラァーヴ)

 科学特捜隊

さよーならー

ウルトラ怪獣名鑑 48

   変身怪人 ゼットン星人 ~ 『ウルトラマン』 第39話 「さらばウルトラマン」   ラァーヴ!!

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 48

 ゼットン星人...。彼らは何者だったのでしょう?
 40年もの永きに亘る隠密調査の後、宇宙船団を編成して侵略行動を開始。変身能力を用いて岩本博士に成り済ました個体が、科特隊内部から破壊工作を実施。アラシ隊員の殴打によって露見した正真は、ケムール人(『ウルトラQ』第19話)にそっくりで、ハヤタ隊員の放ったマルス133の光線を浴び絶命した。その今わの際、断末魔の「ゼット~ン」に呼応するかのように、母船から同じく「ゼット~ン」と声を発する巨大生物が登場...。
 と、本編で判るのは、精々が上記の概要。「ゼットンを操るゼットン星人」なんて尤もらしい設定と呼称はこれ全て、児童書などの書籍媒体用にと体裁を見繕った、謂わばテキトーな後付け。画面を見る限りでは、逆の主従関係も充分有り得ましょう。つまりゼットンの方が主人で、“彼ら”は侵略の下拵えに従事する単なる雑兵に過ぎなかったのだと。ハチやアリに例えるなら労務系、人体に置き換えるならば、胃臓を満たす為に「実は働かされている」頭脳といったところ。
 そうでなけりゃ、あの甚だしい弱体に説明がつきません。“最強”の宇宙恐竜を使役する種族としては分不相応、ゼットンを手懐けているという説得力にまるで欠けます。あいつら。

 さて。2010年3月20日より続けてきたこの『贋作・名鑑戯画』シリーズも、今回で最終回と相成りました。「このフィギュアとその台座を組み合わせればあんな名鑑ないし戯画が...」という発意の下、軽い気持ちで始めた連作ですが。全12回の当初の予定が大幅に膨れ上がり、結局は4倍の48作にもなってしまいました。贋作ではありますが、本家の名鑑・戯画シリーズを揶揄したり貶めたりする心算は勿論無く、偏に名玩菓シリーズを崇敬すればこその企図・行為。ご愛顧戴けたら、欣幸この上ありません。
 勿論怪獣ブログは従来どおり続きますので、HP共々爾後も宜しくお付き合い下さい。(怪獣ラァーヴ)


Data :

  • ゼットン星人 : 『HGウルトラマン』シリーズPART.44 新たなる覚醒編
                ※ゼットンに附属                     (バンダイ 2005年)
  • 台座(手前) : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟ラストバトルSPECIAL
                01 さらばウルトラマン(ウルトラマン対ゼットン)   (バンダイ 2008年)
  • 台座(奥)   : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ウルトラマン ファイナルコンプリートエディション
                10 さらばウルトラマン                  (バンダイ 2006年)

竜寓城

ウルトラ怪獣名鑑 47

            怪竜 ~ 『ウルトラQ』 第6話 「育てよ!カメ」          ラァーヴ!!

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 47

 “絵にも描けない美しさ”。それもその筈。何しろ竜宮城には、「何も無い」のだから...。けれどそこには、こましゃくれた女の子(=乙姫)と、彼女を護衛する竜が棲んでいましたとさ。という訳で、虚無空間に突如現われた怪竜です。
 本編劇中では、ほんの数秒間だけしか姿を見せなかった怪竜ですが。「竜宮城なのに竜が居ないのは何故?」という寓喩なのでしょうか。本家『浦島太郎』には登場しなかった竜についての言及は、ともあれ劃期的だったのかも知れませんね。
[次回は本シリーズ最終回、40年もの間鳴りを潜めていたあいつ...] (怪獣ラァーヴ)


Data :

  • 怪竜(マンダを使用) : 『ゴジラ特撮大百科』シリーズVer.3 ゴジラの息子篇
                     1 守護竜マンダ         (イワクラ 2005年)
  • 台座            : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ3
                     07 まぼろしの雪山(ウー)   (バンダイ 2003年)

鈴生る危機

ウルトラ怪獣名鑑 46

    蛾超獣 ドラゴリー
 幻覚宇宙人 メトロン星人Jr.
 巨大魚怪獣 ムルチ(二代目) ~ 『ウルトラマンA』 第7話 「怪獣対超獣対宇宙人」 ラァーヴ!!

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 46

 宇宙人と超獣を相手に苦闘するウルトラマンエース。そこへ追い討ちをかけるように怪獣まで出現!第7話のクライマックス、絶体絶命のあの場面をイメージして構成してみました。
 妖星ゴランが地球に衝突!!唯でさえ未曾有の危機なのに、ゴランを地球にぶつけようとするメトロンJr.、便乗したヤプールがドラゴリーを放ち、駄目押しはムルチと。容赦の無い、徹底したこのピンチっぷり!
 番組スタート間も無い第7話であるにも関わらず、斯様な危機の天こ盛り。爾後、ウルトラ兄弟が磔刑にされて、「もうこれ以上の窮地は無いだろう」と油断していたら、今度はウルトラ兄弟がタール漬けのブロンズ像されるわ。『ウルトラマンA』という作品は、「どういった趣向で以前の危機を凌駕してこますか」に、只管血道をあげていたような気がしますよ。つくづく。
[次回は、竜宮城の番人...] (怪獣ラァーヴ)


Data :

幼き目には

ジラース

  エリ巻恐竜 ジラース ~ 『ウルトラマン』 第10話 「謎の恐竜基地」  ラァーヴ!!

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 45

 佐賀県北山湖湖畔。自慢の襟巻きを捥がれ、奮然と嚇怒したジラース。一頻りウルトラマンと揉み合った後、刹那神妙な面持ちとなり、最期の突進をする寸前。あの緊張の一瞬をイメージしてみました。
 ゴジラのスーツを流用。と言っても、襟巻きの付け足しと少々の色彩アレンジで、殆んどゴジラと変わらぬ相貌のジラースですが。しかし私個人のいちばん古い記憶では、この対峙を[ウルトラマン対ゴジラ]として観た憶えはありません。勿論往時にゴジラの事は存知でしたが、銀幕の怪獣には左程馴染みも無く、また「着ぐるみの再利用」なんて裏事情を、まさか幼少の頭脳で閃く由もありませんでしたから。ただちょっと「似ているなぁ」と思ったぐらいで、それ以上はとても...。
 なので、たとえ襟巻きを毟り取られても、それは飽くまでも手負いとなったジラース。理性が理解していようとも、私の眼にはゴジラとして映じる事はありませんでしょう。今でも、そして今後も。まさに「三つ子の魂百まで」ですね。
[次回は、怪獣と超獣と宇宙人...] (怪獣ラァーヴ)


Data :

  • ジラース    : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ3
                 02 謎の恐竜基地                 (バンダイ 2003年)
  • ウルトラマン   : 『ワンダーカプセル ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2002年)
  • 台座       : 『ゴジラ全集』シリーズ1st.           (バンダイ 2006年)
                 1962 キングコング対ゴジラ
                 同シリーズ Final                 (バンダイ 2007年)
                 1966 ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘
                 1969 ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃
                 1973 ゴジラ対メガロ
                 1993 ゴジラVSメイカゴジラ

岬にて

アギラ

カプセル怪獣 アギラ
ロボット超人 ニセ・ウルトラセブン ~ 『ウルトラセブン』 第46話 「ダン対セブンの決闘」 ラァーヴ!!

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 44

 名勝伊良湖岬。力泳を終えずぶ濡れになったダンが、車中のウルトラアイを取りに行っている間、強敵相手の大役を仰せ付かったアギラです。その強敵とは...サロメ星人製作のニセ・ウルトラセブン!主人であるセブンと同等の能力を擁し、剰え見目までそっくりと来れば、こりゃあもう下僕のアギラが敵う筈もありません。敗色濃厚と見るや、さっさと岩陰に身を隠し、「あ~あ」なんつって頬杖なぞ突いちゃったりして...。
 シリーズも大詰め。満を持して“ニセモノ”が登場するエピソードですが、クライマックスにおける特撮がどうにも戴けません。ニセ・セブン対アギラ、そしてニセ・セブン対セブンと展開しますが、臨場感を出そうとした山っ気、これが裏目に。実際の崖っぷちでロケ撮影された為に、スケール感は致命的に稀薄、自然の風物に融け込んでしまった彼らが、何とも小粒に見えること。遠くで風に揺れる松の木が、又候切なくて...。
 ところで本エピソードの終盤。ウルトラセブンとニセ・セブンが足場の悪い崖畔で対峙、お互いの光線技を交錯させた末に、何と何とこれが緑色のヒモの引っ張り合いっこに発展します。この際セブンは、バランスを崩し崖から転落しそうになるんですけれど。あわや!となる、しかしこの窮地。そも宙空を自由に飛行出来る者同士の対決にあっては、いちばん要らない演出だったのではないでしょうか。
[次回は、ウルトラマン対ゴジラ!] (怪獣ラァーヴ)


Data :

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