- 2010-12-02
- ★ヒーロー

UFO仮面 ヤキソバン ~ 『日清焼そば』

当今で言ったら、大和ハウスの“ダイワマン”。あの大仰なスーツに、役所広司や唐沢寿明の如き大御所が、袖を通しちゃうものなんだろうなぁ。マイケル富岡がヤキソバンを演る意想外性って。
ドイツ系の父親と日系の母親の血を継いだ日系アメリカ人。DJ、モデル、俳優と、幅の広いタレント性を発揮。芸能活動の最盛期には、「ボクのことは“マイケル”じゃなくて“マイコー”と呼んで下さい」などと、番組の共演者に吹聴。そんな立ち居振る舞いや、顎が割れた濃い顔立ちから、後にその「クドさ」を揶揄されるようになりました。
然るにこの人形。「クドさ」という格好のモチーフを得ながら、それがまるで活かされておりません。晴れやかな面持ちが、却って淡白さを前面に発露させてしまっています。敵方のケトラー(本シリーズ「H少年からの贈り物」その1参照)の人形が、ちゃんとデーブ・スペクターに似ているだけに、可惜残念ですね。
しかしだからと言って、「ヤキソバンのフィギュア化」としての事象的な価値が損なわれる訳ではありません。「一介のCMキャラクターを手許に置ける」という幸甚。赤と黄の奇天烈な装束を纏ったポップな此奴めからでも、それは充分に享受出来ます。なればケトラー同様にこのマイコーも、ノヴェルティの紛うかたなき逸品と言えるでしょう。そもヤキソバン有りきのケトラーですから。対になって初めて成立する彼らの世界観に想いを馳せ、また2人の離れ難き紐帯に畏まろうではありませんか!
余談ですが。曾て野沢直子は、「マイケル富岡の夜は更けて」なる楽曲を自ら作詞し歌唱していました。他にも、珍妙だからという理由でその名を連呼するだけの「おーわだばく(大和田獏)」やら、ライオンやヒョウに噛まれた災難を茶化した「トモ子(松島トモ子)と呼ばないで」など。絶頂期の野沢であったからこそ、許容された愚弄芸の数々でしたが。さて渡米後は、まるで季節労働者のように、年に1~2度フラッと日本に舞い戻っては、止しゃあ良いのにTV出演。ズレまくった、と言うよりは時代に取り残された芸風と発言を、哀れにも晒す体たらくです。ミイラ捕りが何とやらですね。(怪獣ラァーヴ)
Data :
- ヤキソバン : 『日清焼そばUFO仮面ヤキソバン ソフト人形』 (バンダイ 日清食品/電通 1994年)
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