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★贋作ウルトラ怪獣名鑑戯画 Archive
★ 終わりなき世のめでたさを
- 2010-05-15 (Sat)
- ウルトラマンタロウ名鑑戯画

うす怪獣 モチロン ~ 『ウルトラマンタロウ』 第39話 「ウルトラ父子餅つき大作戦!」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑱ ★
本来は餅を搗く為の用具が、餅を食べてしまうといった逆転劇。でも所詮は臼だから、最後は従前通り餅を搗かれる立場に収まって、めでたしめでたし。
「月では兎が餅を搗いている」。人びとの純朴な思念が実体具現化。搗き手の兎は扠措き、「臼が主役」という奇抜さが、流石は『タロウ』の世界観。その名も“モチロン”!飛行船に垂下して地球に到達、手当たり次第に餅を喰い漁る健啖振りを発揮。自身の円筒形態を活かし横転移動、途上の民家を踏み潰しながら進撃します。さんざ餅を食べ捲くったが飽き足らず、「随一の米どころ・新潟へ行きたい」などと、高知方言丸出しで語る始末。相撲に負ければ、「自分が居なけりゃ月に影が無くなるよ」と脅迫紛いの開き直り。出自が荒唐無稽なら、所業も天衣無縫ですね。
しかし餅屋は餅屋。「さあ、搗いて下さいな」と言わんばかりの見目形。臼そのままの機能的な姿は、初見からその帰結を裏切りません。出て来た瞬間に「下げ」が約束されてしまう、まあ“出オチ怪獣”とでも申しましょうか。畢竟そうならざるを得ない因果。本邦分野におけるパンクロック・シーンの嚆矢“ザ・スターリン”も、彼らの楽曲の中で歌唱していますよ。曰く「終わりがいつも一番最初に顔を出す」(ザ・スターリン 「爆裂ヘッド」より 1982年2nd.アルバム『STOP JAP』収録 作詞:遠藤ミチロウ)。或いは「どこまで行ってもオマエはオマエだ」(同 「MONEY」より)。などと...。
さてウルトラの父に叱責され、喰い尽くした餅を返還すべく、臼として元来の役目を果たす事と相成ったモチロン。搗き手はタロウ、そして返し手は...(ここだけは意表を突いて)巨大化した南夕子!斯くて巨人たちによる月夜の餅つき。この狂宴、この絵面!シリーズ屈指の珍場面は、また違った意味でウルトラ原体験となりましょう。(因みに本エピソードを手掛けたのは、怪獣物に伝統風習を綯い交ぜてこます脚本家・石堂淑朗氏でした)
ところで“モチロン”のネーミング。“勿論”に相通ずるのは言わずもがな。この後、モットクレロン(第43話)やベロン(第48話)と、三大駄洒落“ロン”怪獣の揃い踏みとなります。
[次回は、ウルトラ兄弟とレオ兄弟を仲違いさせようとした卑怯な奴...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- モチロン : 『HGウルトラマン』シリーズPART.24 ウルトラマン夕陽に死す編 (バンダイ 2000年)
- 台座 : 『ゴジラ全集』シリーズFinal
1973 ゴジラ対メガロ (バンダイ 2007年) - 民家 : 『帰ってきたウルトラ怪獣名鑑』シリーズ 怪獣総進撃
03 怪獣総進撃(アーストロン) (バンダイ 2007年)
★ 窮場
- 2010-05-14 (Fri)
- 帰ウルトラマン名鑑戯画

触覚宇宙人 バット星人 ~ 『帰ってきたウルトラマン』 第51話 「ウルトラ5つの誓い」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑰ ★
次郎とルミ子を人質に捕り、球場のスタンドで気焔を吐くバット星人です。この等身大時には、伊吹隊長が投げたナイフに倒れ、巨大化しては、ウルトラマンが投擲した槍(ウルトラクロス)で串刺しにされて絶命。意外と刃物に弱く、戦国武将を髣髴とさせる鎧風の装甲は、あれ虚仮威しだったのでしょうか。
「ウルトラ抹殺計画」を実行すべく、宇宙恐竜ゼットンを手懐け、自らはMATを壊滅状態にまで追い遣った、成る程最終回には相応しい大物っぷりを発揮。しかし反面、女子供を毒手に掛けようとしたり、留守中に空き巣に入りMAT基地を破壊するあたり、狡すっ辛さもまた一入でした。
バット星人が待ち構えていた球場は“東亜スタジアム”。特定の施設を指定してくるセンスも、侵略宇宙人らしからぬ行動で解せません。寧ろショッカーとか、等身大ヒーロー物における悪の組織の流儀と言えるでしょう。観覧席に佇む姿が、奇異に映ります。
スポンサー(ロッテ)の計らいは別として、何故舞台を球場に据えたのでしょうか?ひょっとしたら、「ゾフィ・マン・セブンらがピンチに駆けつけ4兄弟でゼットンを倒す」なぁんて、刺激的な展開が勘案されていたのかもしれません。そうなれば、役者揃いの“オールスター戦”。夢の球宴に用意された場所は...って、穿ち過ぎですね。
結局球宴は夢のまま。フニャフニャなゼットンもさっさと片付けられ、首謀者がその名に冠した“バット”は火を噴かず終い...。
[次回、餅を喰いに月からやって来たのは勿論あいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- バット星人 : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟ラストバトルSPECIAL
02 ウルトラ5つの誓い (バンダイ 2008年) - 台座 : 『仮面ライダー怪人名鑑』シリーズ3 ~人喰い怪人編~
10 ゲルショッカー全滅!首領の最後!!(ヒルカメレオン) (バンダイ 2004年) - 鉄骨(奥) : 『仮面ライダー怪人名鑑』シリーズ2
06 仮面ライダー新1号 (バンダイ 2003年)
★ 処々啼鳥を聞く
- 2010-05-12 (Wed)
- ウルトラセブン名鑑戯画

双頭怪獣 パンドン ~ 『ウルトラセブン』 第48話 「史上最大の侵略 前編」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑯ ★
脈拍360、血圧400、体温90度!悪魔のような侵略者たちとの激戦で、すっかり疲弊困憊のウルトラセブン。囂しく奇声を発する新たな敵に対し、必殺技も不調不発。叩き落され踏ん付けられたアイスラッガーを奪還、そのまま手にした寸鉄の白刃で居合い一閃!辛くも勝利を収めた瞬間です。
通常は飛び道具であるアイスラッガーを、直接掴んで相手を屠る荒技。他に対ギエロン星獣戦(第26話)と対ガイロス戦(第42話)、通計3回しか見せたことのない乾坤一擲の切り札です。剣豪のような一面をも併せ持つセブンの、他のウルトラ戦士とは一線を劃す所以でしょう。
さて二対の嘴で、「ガガ・アァー!」と叫騒するパンドン。「ガガー」と「アァー」の鳴き声が、左右の口から発せられている合唱のようで、“双頭怪獣”の別称に合点がゆきます。ところで怪鳥の如きこの尖り声。「ティービーエス!(TBS!)」と聴こえなくもないのですが...錯聴でしょう、きっと。
[次回は、人質を捕ってスタジアムにて待ち構えるあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- パンドン : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ウルトラセブン編 史上最大の侵略
08 史上最大の侵略 (バンダイ 2004年) - ウルトラセブン : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- 台座 : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史2
05 奇跡!ウルトラの父(ウルトラの父対ヒッポリト星人) (バンダイ 2006年) - 炎 : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史3
05 ゾフィが死んだ!タロウが死んだ!(ゾフィ対バードン) (バンダイ 2007年)
★ PRIMITIVE & OP!アートな怪人
- 2010-05-11 (Tue)
- ウルトラマン名鑑戯画


三面怪人 ダダ ~ 『ウルトラマン』 第28話 「人間標本5・6」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑮ ★
宇宙線研究所を占拠。逃げ惑う所員や施設を訪れた女性調査官、更には彼女を救いに来たムラマツらを標本化すべく、所内を何処までも追いかけて来るダダ。お顔をお色直ししてみせたり、遮蔽物を透過してのけたり、消えたり出たりの隠顕自在。昭和往時、これを恐怖の原体験として覚えた諸兄も、少なくないようです。
アフリカ原住民の仮面を髣髴とさせる頭部と、ブリジット・ライリー(英国 1931~) の作品を纏ったような肢体。これらを融合させた外貌は、抜群なインパクトでした。脳裡を直撃したその奇態は、永き歳月を経た今尚鮮烈な輝きを放っています。「生物なのに抽象的」といった意想外性が、成る程不気味さのメカニズムなのかもしれません。
曾ては「恐怖」の代名詞であった筈のダダ。昨今はキャラクター化され、バルタンやピグモン、カネゴンらと並んですっかり人気者。旧来のファンからすれば、喰えない持て囃されようです。「怖いから見たくない、でも見たい」。ダダにあっては、そんな禁忌な匂いを纏繞していて欲しいもの。『リング』シリーズ(鈴木光司 1991年~)の貞子同様、「形あるものは全てキャラクター化される」命運なのでしょうか。
名鑑シリーズでは、本家第2弾(2002年)とパノラマファイト2弾(2007年)の都合二回、リリースの僥倖に与ったダダ。ですが、いずれも青い目をした通称“B”と呼称されるタイプの登用であり、一般的に膾炙されている赤い目の“A”の不在は、何とも寂しい限りです。なので、赤目(A)と残りの黄目(C)も、同台座を使って構成してみました。
[次回は、心なしか鳴き声が「TBS!」と聴こえるあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- ダダ(A・C) : 『ワンダーカプセル ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2002年)
- 台座 : 『仮面ライダー怪人名鑑』シリーズ3 ~人喰い怪人編~
05 怪人ナメクジラのガス爆発作戦(仮面ライダー2号対ナメクジラ) (バンダイ 2004年)
★ 梟×鸚哥
- 2010-05-10 (Mon)
- ウルトラセブン名鑑戯画


カプセル怪獣 ウインダム ~
分身宇宙人 ガッツ星人 ~ 『ウルトラセブン』 第39話 「セブン暗殺計画 〔前篇〕」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑭ ★
夜のビル街で、鳥の顔を持つ者同士が対峙。片やフクロウの面体を想起させるウインダムと、片やインコそのままなガッツ星人。たまたま。と言うより、そも鳥に着想した宇宙人なり怪獣なりが頻出する『ウルトラセブン』ならではの、ともすれば必定だったのかもしれません。
「無敵」を自負するガッツ星人に相対して、虚仮威しではない、徒ならぬ殺気を感じたダン。自らは変身を回避、「取り敢えず」ってんで、斥候の為にカプセルを投擲。しかし飽くまでも子飼いに過ぎないウインダムが、強者・ガッツに敵う筈も無く。隠顕自在の術に翻弄され、揚げ句は電子頭脳を破壊される始末。敢え無く最期の出陣と相成りました...。
雑魚(ウインダム)を片付けた後、いよいよ巨大化するガッツ星人。劇中ではほんの一瞬でしたが、同じ台座を使用した“亜種”として構成してみました。
[次回は、自分の名を連呼しながら何処までも追っかけて来るオプティカル・アートなあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- ウインダム : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ウルトラセブン編1
02 姿なき挑戦者(ウインダム) (バンダイ 2003年) - ガッツ星人 : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史1
02 セブン暗殺計画(ウルトラセブン対ガッツ星人) (バンダイ 2006年) - 台座 : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史2
01 侵略者を撃て(ウルトラマン対バルタン星人) (バンダイ 2006年)
★ 歯科女医にご用心
- 2010-05-09 (Sun)
- ウルトラマンA名鑑戯画

ミサイル超獣 ベロクロンⅡ世 ~ 『ウルトラマンA』 第48話 「ベロクロンの復讐」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑬ ★
「復讐」とか「呪い」とか「怨念」とか。兎角『ウルトラマンA』では、こういった穏やかではないキーワードが際立ちます。これは、クリスチャンである市川森一氏と意趣返しの作家・上原正三氏、両御仁の精神性の発露と言えるでしょう。(尤もドラマの内容については、左程シリアスでもなく、時に頓狂だったりしますが...)
また「鼻刳り塚」や「ナマハゲ」、「獅子舞」だの「豆まき」だの、日本古来の習俗に焦点を当てた作品も、『A』の世界を妖しく彩りました。こちらの趣向は、石堂淑朗氏が脚本を担当した物に多く見受けられます。本エピソード「ベロクロンの復讐」は市川氏の脚本によるものですが、やはり伝統芸能である「能面」が、印象的に使われました。通底しているのは、それら風儀が畏怖の対象として描かれている事です。
さて。北斗にとっては、「自分を殺した」忘れ難き超獣ベロクロン。初代(Ⅰ世?)がサンゴのイメージだったのに対し、Ⅱ世の方は、赤・緑・黄のラスタカラーと相俟って、ドレッドヘアーを戴いたレゲエ・ミュージシャン風です。何処となく。
ところでこの二世君は、次作『ウルトラマンタロウ』にも顔を見せます。その名も“改造ベロクロンⅡ世”。間怠っこいったらありゃしない!
[次回は、夜の街に対峙した鳥顔の御二方...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- ベロクロンⅡ世 : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- 台座 : 『帰ってきたウルトラ怪獣名鑑』シリーズ2 怪獣チャンネル編
01 宇宙から来た透明大怪獣(サータン) (バンダイ 2007年)
★ 機械人形
- 2010-05-08 (Sat)
- ウルトラセブン名鑑戯画

アンドロイド少女 ゼロワン ~ 『ウルトラセブン』 第9話 「アンドロイド0指令」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑫ ★
「もう何もかも終わりです」
百貨店屋上。ウルトラセブンに追い詰められ、遊戯機械の鉄柵を背にしたアンドロイド少女をイメージしてみました。この後、反撃する間も無くセブンによって破壊されます。
チブル星人の強烈なインパクトから影が薄れがちですが、休止状態ではマネキン人形に擬態する彼女も、なかなかの不気味さ。演じた小林夕岐子の端整なマスクは、ともすれば冷ややかであり、まさに“機械人形”には誂え向きの容色です。無表情という訳でもなく、仄かな笑みを浮かべ、非情にも迫り来る足運び。電撃、俊足、怪力...。加えて、「オ客サマニオ知ラセシマス。午前0時ノ時報トトモニ、アンドロイドゼロ指令ガ発令サレマス。アト暫ラクオ待チ下サイ」と、機械的に繰り返される館内アナウンス。カタカナ表記が断然似合うその事務的な響きも含めて、忘れ得ぬウルトラ原体験です。
固より「人形が動く」といったシチュエーションは、無条件で心胆寒からしめるもの。そんな訳で、「動く人形」で恐怖出来る傑作5選―!
- ◆ 『生き人形』 : 稲川淳二氏の実体験は、最早説明不要でしょう
- ◆ 「青い血の女」 (『怪奇大作戦』 第7話) : ナイフで凶行を繰り返す殺人人形よりも、寧ろラストの喋くる「あれ」
- ◆ 「妖獣アダル 人形作戦」 (『デビルマン』 第19話) : タレちゃんを自殺へと駆り立てる、廃棄処分のマネキン
- ◆ 『サスペリア2』 : 出っ歯も憎々しげなカラクリ人形が、無邪気に哄笑しながら襲ってくる!
- ◆ 「魂が宿った人形」 : 上掲『生き人形』以来、怪談実話系人形モノの白眉。『心に残った幽霊供養』(学研)
収載
[次回は、ヤプールの復讐の尖兵として新生したあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- アンドロイド少女 : 『大怪獣シリーズ』チブル星人 少年リック限定品に附属 (エクスプラス 2009年)
- 台座 (手前) : 『仮面ライダー怪人名鑑』シリーズ3 ~人喰い怪人編~ (バンダイ 2004年)
05 怪人ナメクジラのガス爆発作戦 (仮面ライダー2号対ナメクジラ) - 台座 (奥) : 同上
10 ゲルショッカー全滅!首領の最後!! (ヒルカメレオン) - プランター : 同上
03 人喰い花ドクダリアン (ドクダリアン) - 鉄柵 (最奥) : 同上
02 死神カメレオン 決斗!万博跡 (死神カメレオン)
★ 白銀の天嶮、金城の鉄壁
- 2010-05-07 (Fri)
- ウルトラマン名鑑戯画

どくろ怪獣 レッドキング(二代目) ~ 『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑪ ★
堅牢強固、雄大荘重。バロック建築を髣髴とさせるレッドキングは、まさに“怪獣王”。にも関わらず名鑑シリーズでは、単体でのリリースは無く、「怪獣無法地帯」と「怪彗星ツイフォン」の両編、いずれも対戦相手との同梱で、小じんまりとした拵えでした。
怪獣王にあっては、もっと威風堂々としていて欲しいもの。そんな訳で、見端が割りと立派な『円谷倉庫』版のレッドキングと、豪壮な雪山が印象的な台座を『ゴジラ全集』から引っ張ってきて、組み合わせてみた次第です。
[次回は、ダンを誑かすつもりがフルハシをシビれさせてしまったあの娘...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- レッドキング(二代目) : 『円谷倉庫』シリーズ1 (バンダイ 2008年)
- 台座 : 『ゴジラ全集』シリーズ2nd. 1955 ゴジラの逆襲 (バンダイ 2005年)
★ 怪優怪演
- 2010-05-03 (Mon)
- ウルトラセブン名鑑戯画

人間生物X ~ 『ウルトラセブン』 第2話「緑の恐怖」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑩ ★
ワイアール星人に襲われた酔漢が、搬送先のウルトラ警備隊メディカルセンターで怪物化。厳密に言えば、この個体はワイアール星人ではなく、同化液によって星人そっくりに変貌させられてしまった“人間生物X”です。ドラキュラに血を吸われた人間が、ドラキュラと同種の吸血鬼になってしまう-みたいなものなのでしょう。きっと。
丸窓が印象的なこの医務室。本家名鑑シリーズ・「人間牧場」(『ウルトラセブン』第22話)からの拝借です。劇中でも度々見受けられる「お馴染みの」セット、その汎用性に便乗させてみました。等身大の宇宙人が登場する『セブン』なればこそのアレンジです。
化け物に変容してしまう前の酔っ払いを演じたのは、錯乱者の芝居に長けた怪優、故・大村千吉!東宝の怪獣映画を始め、ウルトラでも、異形に遭遇してしまった非運な役どころを数多く演じてきました。その狂乱っぷりは頭抜けており、後進の追随を未だ許しておりません。多分。
当エピソードは、そんな「恐怖する」専門役者だった大村が、自ら怪物と化してしまう、謂わば劃期な事変でもありました。爾後彼は、日本刀を振り回す狂人(『怪奇大作戦』第24話「狂鬼人間」)やパンダの縫いぐるみを強奪する黒マントの怪人(正体はスチール星人 『ウルトラマンA』第40話「パンダを返して!」)など、市井の人びとを脅かす側にも、その才覚を発露させてゆきます。何しろあの形相ですから...。
[次回は、ツイフォン編の主役はやっぱり金色のあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- 人間生物X(ワイアール星人) :『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ウルトラセブン編1
03 緑の恐怖 (バンダイ 2003年) - 台座 : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ
ウルトラマン&ウルトラセブン 2nd. SEASON EPISODES
09 人間牧場(ブラコ星人) (バンダイ 2005年)
★ 巧み凝らして思案為せど
- 2010-05-02 (Sun)
- 帰ウルトラマン名鑑戯画

宇宙忍者 バルタン星人Jr
~ 『帰ってきたウルトラマン』 第41話「バルタン星人Jrの復讐」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑨ ★
建造中のビルをロボットに改築。その内部にMATたちを閉じ込め、ウルトラマンの戦意を挫いてしまおうと、作戦の動向を虎視眈々と窺うバルタン星人Jrです。2007年に発売された名鑑シリーズ本家の物とは別に、計器パネルの前で息巻く様子を、等身大のイメージでアレンジしてみました。
さて。「父の仇討ち」を目的としたご自慢の「ビルガモ作戦」はしかし、手抜き工事によって解れを見せてしまいます。脆弱な通常建材を使用した壁に大穴を開けられ、そこから人質に逃げられてしまう始末、間抜け。草葉の陰の父君も、これじゃあ浮かばれませんね。
ところで“ジュニア”という名付け。後のドリー・ファンク・ジュニア(米国インディアナポリス出身のプロレスラー)やブロッケンJr.(ゆでたまご作・『キン肉マン』登場の超人)、そして千原ジュニア(吉本興業所属のお笑いタレント)など。“ジュニア系譜”のルーツは、何を隠そう此奴です。ウソです。
[次回は、ウルトラ警備隊の医務室で醜怪な緑色の姿を晒したあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- バルタン星人Jr : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- 計器盤 : ㊤『ウルトラパノラマファイト』シリーズ ラウンド3
06 翻訳機はラジオ?サウンド誤解大決戦!(ラゴンVSザラブ星人) (バンダイ 2008年)
㊦『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ファイナルコンプリートエディション
04 遊星から来た兄弟(ザラブ星人) (バンダイ 2006年) - 台座 : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ ウルトラセブン編1
08 地底GO!GO!GO!(ユートム) (バンダイ 2003年)
★ 冷凍牛
- 2010-05-01 (Sat)
- ウルトラセブン名鑑戯画

カプセル怪獣 ミクラス ~ 『ウルトラセブン』 第25話「零下140度の対決」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑧ ★
氷雪に凍えながら主人の還りをじっと待つ。まるで南極の昭和基地に置き去りにされた樺太犬のタロ・ジロ、若しくは帰らぬ主人を出迎えに渋谷駅へ日参し続けたハチ公。そんな律義一徹が涙を誘うミクラスです。
それにしても酷いのは飼い主、いやウルトラセブン。紛失物(ウルトラアイ)を捜す暫しの間だけかと思いきや、念願の変身を果たしても、ガンダー相手に劣勢のミクラスをそのまま放置。自分だけ寒冷域外の上空へ逃れ、太陽光を浴びてぬくぬくと養生。鱈腹エネルギーを充填し戦線復帰して尚、既に凍結してしまった飼い犬をほったらかし。ガンダーを倒した後も、敗者・ポール星人が滔々と捲くし立てる負け惜しみを、最後まで緩りと拝聴してこます始末。ダンの姿に戻って、「あ、忘れてた」と言わんばかりの「ミクラスもどれ!」で、漸うの回収......あんまりだ!
[次回は、建設中のビルに罠を張り父の仇討ちに燃えるあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- ミクラス : 『ワンダーカプセル ウルトラマン』シリーズ第1弾 (バンダイ 2002年)
- 台座 : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ2
03 怪彗星ツイフォン(レッドキング2代目対ドラコ) (バンダイ 2002年)
★ お月さまと入れ歯
- 2010-04-30 (Fri)
- ウルトラマンタロウ名鑑戯画

月光怪獣 再生エレキング
~ 『ウルトラマンタロウ』 第28話「怪獣エレキング 満月に吼える!」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑦ ★
孫悟空・ターザン・猿飛佐助の扮装で、木曾の山野を駆け巡る3兄弟。祖父の入れ歯を作ろうと思い立った彼らが、洞窟内の地底より突き出た物体にノコギリを入れると...。何とそれは、月の光を浴びて復活したエレキングの角だった!
この奔放、荒唐無稽、思うがまま!而して甦ったエレキングは、満月の下で軽快な盆踊りを披露。角を引っこ抜かれると、傷孔から泡沫を噴いて悶絶。向後生き返らぬよう、その角は月に奉納され...と、さすがは『ウルトラマンタロウ』。シリーズ随一の頓狂振りは、伊達じゃあありません。
[次回は、主人が戦い終えるまで極寒の中に放置されたあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- 再生エレキング : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- ウルトラマンタロウ : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史Ⅲ
04 2大怪獣タロウに迫る!(ウルトラマンタロウ対ケムジラ) (バンダイ 2007年) - 台座 : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史Ⅱ
05 奇跡!ウルトラの父 (ウルトラの父対ヒッポリト星人) (バンダイ 2006年)
★ 汀に立ちて
- 2010-04-25 (Sun)
- ウルトラQ名鑑戯画

海底原人 ラゴン ~ 『ウルトラQ』 第20話「海底原人ラゴン」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑥ ★
ラゴンのマスク並びにスーツを作製したのは、数々の異形生命体をその手で創りだしてきた“怪獣造型家”・高山良策氏(故)。氏が心血を注いだ魚人の相貌には、潮流を髣髴とさせる幾条かの筋が奔り、恰もそれは、海蝕を受けた段丘が刻みし年輪のようです。まさに“悠久の時”の向こうからやって来た、「海底原人」の名に相応しい面差しではないでしょうか。本邦分野における和製半魚人の最高峰と言えましょう。
ところで高山氏は生前、自身の愛妻を捕まえて「ラゴンに似ている」などと、戯れに仰っていたそうです。『ウルトラQ』に登場したラゴンは、劇中で特に明言されませんが、胸部の膨らみや我が子に固執する有り様から推して、母、つまり女性であると諒解出来ましょう。ならば高山氏の冗句も強ち...なんて不謹慎な想像を巡らせたりして。
では。昭和の胡散臭さもたっぷりな、和製半魚人の名士たちを以下に。
- ・アマゾニア(『仮面ライダー』第22話「怪魚人アマゾニア」) : 焼死体みたいな黒焦げ顔はトラウマ級。
- ・オコゼルゲ(『超人バロム1』第1話「悪魔の使い 深海魚人オコゼルゲ」) : 第1話に半魚人、しかもオコゼ。
- ・海獣半魚人(『緊急指令10-4・10-10』第13話「海獣半魚人の反逆」) : 安普請の半笑いが却って不気味。
- ・アマゾンX(『鉄人タイガーセブン』第3話「逆襲!半魚原人アマゾンX」) : 本家『大アマゾンの半魚人』に肉迫。
- 【番外1】ザ・ピラニアン(『タイガーマスク』第94話「身替わりの虎」・第95話「ザ・ピラニアン」) : この荒唐無稽!
- 【番外2】マーメイム(『デビルマン』第13話「誇り高きマーメイム」) : 魚の被り物が愛らしい。
Data :
- ラゴン : 『ウルトラパノラマファイト』シリーズ ラウンド3
06 翻訳機はラジオ?サウンド誤解大決戦!(ラゴンVSザラブ星人) (バンダイ 2008年) - 台座 : 『ウルトラ怪獣名鑑』シリーズ1 02 ウルトラ作戦第一号(ベムラー)(バンダイ 2002年)
- 岩 : 『ゴジラ名鑑』 03 モスラ対ゴジラ (バンダイ 2002年)
★ 改造
- 2010-04-18 (Sun)
- ウルトラマンタロウ名鑑戯画

宇宙怪獣 改造ベムスター
~ 『ウルトラマンタロウ』 第29話「ベムスター復活!タロウ絶体絶命!」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ⑤ ★
二代目、再生、Jr.(ジュニア)、Ⅱ世...。そして飽き足らず、満を持して「改造」怪獣の登板。番組活性のカンフル剤とは言え、過去のシリーズから人気怪獣を軽々に引っ張ってくる、まあこの短絡さ、あざとさ。視聴率梃入れを旗幟とした、体の好い方便以外の何物でもありません。それにしても「改造」...。昭和往時、人気を二分した『仮面ライダー』の専売特許だったこの言葉を、本邦分野のオーソリティーとして決して使わぬ気骨を示して欲しかったなぁ。[次回は、我が子を取り戻すべく遙々波濤を越えてやって来た彼女...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- 改造ベムスター :『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- ウルトラマンタロウ :『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史Ⅲ
04 2大怪獣タロウに迫る!(ウルトラマンタロウ対ケムジラ) (バンダイ 2007年) - 台座・建物ミニチュア:『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟激闘史Ⅲ
03 ウルトラセブン参上!(帰ってきたウルトラマン対ベムスター) (バンダイ 2007年)
★ 333mの憧憬、昭和の忘れ形見
- 2010-04-03 (Sat)
- ウルトラQ名鑑戯画

隕石怪獣 ガラモン ~ 『ウルトラQ』 第16話「ガラモンの逆襲」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ④ ★
2010年3月29日。竣工より51年と3ヶ月と数日...「日本一高い電波塔」が、遂にその王座を明け渡しました。本邦分野の怪獣が、向後東京に来たる際は、きっと押上方面へ足が赴くことでしょう。[次回は、スリム・ボディに改造されて尚やっぱり強かったあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- ガラモン :『ART WORKS COLLECTION ~featuring Yuji Kaida ウルトラQ ウルトラマン』 シリーズ
ガラダマモンスター
(メガハウス 2005年) - 台座・建物ミニチュア : 『ウルトラ怪獣戯画』シリーズ ウルトラ兄弟ラストバトル SPECIAL
02 ウルトラ五つの誓い(帰ってきたウルトラマン対ゼットン二代目・バット星人)
(バンダイ 2008年) - 東京タワー : 『ウルトラ怪獣名鑑EX ウルトラパノラマファイト』シリーズ
01 ウルトラマンVS冷凍怪獣ペギラ 激闘!東京大決戦!!
(バンダイ 2006年)
★ 怪獣開花
- 2010-03-31 (Wed)
- ウルトラマンタロウ名鑑戯画

宇宙大怪獣 アストロモンス ~ 『ウルトラマンタロウ』 第1話「ウルトラの母は太陽のように」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ③ ★
超獣を喰らう大怪獣登場!「怪獣<超獣<怪獣」の図式が確立した瞬間であり、倒頭定着する事がなかった“超獣”の敗北宣言でもありました。また“怪獣”という呼称の頭抜け、延いては本邦における滲透・膾炙・活着、つまり「根付き」を、まざまざと再認識させられた事象でもあります。さて、土手っ腹に巨大花の鮮烈な「赤」。タッコング、ベロクロン、そしてアストロモンスと。所謂“第2期”の第1話登場怪獣は、「衝撃の赤」を纏ってこそ合格!?[次回は、二度目の襲来で東京デヴューを果たしたあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- アストロモンス : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- 台座 : 『ウルトラ怪獣名鑑』 シリーズ ウルトラセブン編2
07 蒸発都市(ダンカン) (バンダイ 2003年)
★ 「汝の名は何か」と問い給えば、レギオンと答う… ルカ伝八ノ二十七 - 三十
- 2010-03-27 (Sat)
- ウルトラマンレオ名鑑戯画

宇宙悪霊 アクマニヤ星人 ~ 『ウルトラマンレオ』 第33話「レオ兄弟対宇宙悪霊星人」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ② ★
レオ・アストラ兄弟の合体技が、まるで悪魔を滅ぼす十字架のようです。それにしてもアクマニヤ。眼球に自身の角を突き刺されて尚も平然とし、捥がれた腕が相手を攻撃。目ン玉野郎のこの出鱈目っぷりと来たら..。[次回は花の季節に因んで、ドテっ腹に巨大花を咲かせたあいつ..] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- アクマニヤ星人 : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- レオ&アストラ : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- 台座 : 『ウルトラ怪獣戯画』 シリーズ ウルトラ兄弟激闘史3
05 ゾフィが死んだ!タロウも死んだ!(バードン&ゾフィ) (バンダイ 2007年)
★ 粗悪質宇宙人
- 2010-03-20 (Sat)
- ウルトラマンタロウ名鑑戯画

悪質宇宙人 メフィラス星人(二代目)
~ 『ウルトラマンタロウ』 第27話「出た! メフィラス星人だ!」

★ 贋作・ウルトラ怪獣名鑑戯画 ① ★
かつてウルトラ怪獣ファンを熱狂させた玩菓の名作、『ウルトラ怪獣名鑑』と『ウルトラ怪獣戯画』。これらの特徴でもあり魅力でもあったのが、“怪獣情景”の活写とサブタイトル付きの台座でした。そこでこの「贋作」シリーズでは、既製の台座と他商品のフィギュアを組み合わせて、未発売に終わったエピソードを "名鑑化" してゆきたいと思います。一応12本を予定しております。では先ずは、「堕ちた名士」とも言うべきメフィラスの二代目、その凋落っぷりをご覧下さい。
[次回は、レオに登場した目ン玉のあいつ...] (怪獣ラァーヴ)
Data :
- メフィラス星人(二代目) : 『キャラエッグ ウルトラマン』シリーズ (バンダイ 2004年)
- 台座 : 『帰ってきたウルトラ怪獣名鑑』 シリーズ3 地球頂きます!編
09 地球頂きます!(ヤメタランス) (バンダイ 2007年) - 建物ミニチュア : 『帰ってきたウルトラ怪獣名鑑』 シリーズ2 怪獣チャンネル編
03 怪獣チャンネル(ビーコン) (バンダイ 2007年)
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