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ウルトラ怪獣ラァー ヴ!ログ

殉死を偲んで ~H少年からの贈り物 その8~

ドドンゴ
        ミイラ怪獣 ドドンゴ ~ 『ウルトラマン』 第12話「ミイラの叫び」    ラァーヴ!!  
 
 

 黄金の肢体に、目も醒めるような青磁色。虚空に向けた咆哮は、亡き主人を追慕してか。その健気さは、まるで神社仏閣の門前に置き据えられた狛犬の如し。心許り綾をつけた前肢の、まあ何て愛くるしいこと!尚、両翼左右取り違えての発売は、ご愛嬌。
 ドドンゴのブルマァク人形については、遠い昭和の昔日を捉えた一葉のスナップの想い出と共にあります。この凛々しい忠犬を聢と胸に抱き、何故か不安げに前方向のレンズを睨み据えている幼き日の自己。両眼を潰された揚げ句に屠られた凄惨な最期を悼んでか、せめて模像だけは庇護して遣りたいと強く思う童心の顕われ?いえいえ、人形の実際の所有者が自身ではなく友だちであり、刹那の愛顧権を単に儚んでいたのでしょう。きっと。
 躯体側面を奔る鬣の造作に、河川の水流を重ね見ます。詩人エミリー・ディキンソンは詠いました。“あなたの小さな胸に小川をお持ちですか?”。幼少の砌に一度なりともドドンゴを胸に抱いた者ならば、ハハァン、持っていますとも、小川のせせらぎくらいさぁ。オレもH少年も、ね!(怪獣ラァーヴ)



Data :

  • ドドンゴ : ブルマァク復刻版 限定復刻ウルトラマン生誕25周年記念 (バンダイ 1991年)

愛しの怪獣(ベイビー) ~H少年からの贈り物 その7~

ジラース
     エリ巻恐竜 ジラース ~ 『ウルトラマン』 第10話 「謎の恐竜基地」    ラァーヴ!!  
 
 

 バンダイ製のスタンダードサイズによるジラースのソフビ人形。とは言えこれ、『ウルトラバトルゾーン 怪獣大決戦場』なる大型ジオラマ商品(サウンドギミック付き)に、ウルトラマンの人形共々同梱された、謂うなればイレギュラー物。1995年発売で、1998年にはこのジラースのソフビ人形が、単体で再販されました。成型色の光沢から推して、写真は前者、つまり95年版と思われます。
 小売価格は9800円。恵まれていた事に気付かなかったH少年が、買い宛がって貰った、またもや高額商品。発売時季は年末、ならばクリスマスプレゼントでしょうか。幼い体躯に比して、余りにもデラックスな包装箱。を前に、欣喜雀躍する昔日のH君の姿が、思い浮かぶようです。
 そもそもはゴジラ。なんて野暮天は、この際措くとして。血走った赤黒い口腔内に、先ずは獲物を噛み砕く歯列と、食塊を嚥下する前に篤と味わう舌。目も醒めるような赤と白のコントラストは、捕食者の証し。思いの丈威嚇してみせる野性が、ソフビ人形の暖か味ある造型でありながら、健気にも燦然と光輝します。かわいいじゃあありませんか、ねぇ、二階堂教授!(怪獣ラァーヴ)


    ウルトラバトルゾーン 怪獣大決戦場

Data :

  • ジラース : 『ウルトラバトルゾーン 怪獣大決戦場』 (バンダイ 1995年)

ケレンな斬れ味 ~H少年からの贈り物 その6~

ギロン
     大悪獣 ギロン ~ 『ガメラ対大悪獣ギロン』                    ラァーヴ!!  
 
 

 ゴジラの後発となるガメラは、兎に角も露骨なケレン味を前面に打ち出し、王道邁進するゴジラに飽食した餓鬼共を取り込み、破廉恥な邪道へと教唆煽動してきました。5作目に登場したギロンの外貌なんかは、そういった作品性の旗幟が鮮明であり、「ガメラがどんな窮地に見舞われるか」が明々白々。“切ったぞ 突いたぞ ゴーゴーゴー”なんて謳ってる主題歌を、威風堂々と地で行ってますね。
 何処となくサメを髣髴とさせる顔立ち。ノコギリザメとかハンマーヘッドシャークとか、成る程日用工具に見立てたネーミングが実存するサメですが。それにしたって包丁をそのまま頭に戴かせちゃう、良く言えば潔さ、悪く言えば浅墓さ。強引な発案とやっつけなデザインは、これはもう火を見るが如し。斯くて生物として余りにも不自然でグロテスクな姿が誕生、その刃を銀幕の中でギラつかせたのです。
 とは言えインパクトは抜群!こういう手合いにやられちゃうんですよね。コロッと。思慮分別の未熟な子どもたちは。私も大好きでした、ギロン。映画は観ずとも、怪獣図鑑の写真を矯めつ眇めつしては、この包丁頭に心酔したものです。ガメラなんか全く知らないH少年も、恐らくはそうだったのでしょう。玩具店で此奴めと出遭って...。(怪獣ラァーヴ)


    

Data :

  • ギロン : 大怪獣ガメラシリーズ 『ガメラ対大悪獣ギロン』より 大悪獣ギロン (バンダイ 1992年)

ちっちゃな僥倖 ~H少年からの贈り物 その5~

冷凍怪獣シーグラ
冷凍怪獣 シーグラ ~ 『ザ☆ウルトラマン』 第1話「新しいヒーローの誕生!!」 ラァーヴ!!  
 
 

 “© 円谷”の刻印が無ければ、何の怪獣なのかも判らず、特に気に掛けることも無かったでしょう。この、デフォルマシオンされた所謂「SD」スタイルによるニヤケた恐竜の素姓なんて...。1979年のアニメーション作品・『ザ☆ウルトラマン』、その第1話に登場した冷凍怪獣シーグラです。
 放映時中学生だった私は、一度も本作を観たことがありません。よって作品に対する思い入れなどこれっぽちも沸く道理も無く、当然何らの関連商品も持たぬ状態でありました。偶に中野などの中古店でソフビ人形を見掛けても、相応のプレ値を見ては「ふぅ~ん、そんなものかぁ」と全くの袖。だって一回も観たことが無いんだもん。
 本商品の詳細は合切不明。カプセルトイか、若しくは玩菓のオマケ。いずれにせよ射倖的な販売形態であり、「これがいい」と自ら選抜出来るような代物ではなかった筈。恐らくはH少年も「何だコレ?」と、大した興味も喚起されず、玩具箱へポイと抛ったままだったのでは?
 そんな不遇な此奴めが棄てられることなく、今ここにこうして好事家の手許に辿り着いた奇蹟!作品に対する無関心は相変わらずでしょうが、私はトコトンこいつを愛玩して遣りますよー。長旅ごくろうさん。ようこそ我が手中へ。(怪獣ラァーヴ)


Data :

  • シーグラ : 『    ?     』  (     19 ? ? 年)

玄人好み ~H少年からの贈り物 その4~

vlog-H04.jpg
悪質宇宙人メフィラス星人~『ウルトラマン』第33話「禁じられた言葉」ラァーヴ!!  
 
 

 佐藤内閣による政界席捲(1964年~1972年)とほぼ同時期、本邦男児の玩具箱を占有していたのは、ブルマァク(若しくはマルサン)の怪獣ソフビ人形たち。写真は復刻物で、1991年発売。こういった懐古ムーヴメントは、ちょうど昭和享年(1989年)とともに幕開けました。
 なので、想定された購買層は、既に“イイ大人”に成長した昭和40年代のウルトラエイジであった筈。にも関わらず、91年当時、せいぜいが3歳であったろう“Hちゃん”の食指は、この古式懐しき怪獣人形に対して、ムズムズと動いたって訳ですよ。何て老成な。末恐ろしい...。
 加えて、メフィラス星人というチョイス。私事ですが、昭和往時、この「悪の名士」を所有する友だちについては、少なからず畏怖を覚えたものです。カネゴンやバルタン星人レッドキングなどには目も呉れず、しれっとメフィラスを玩具箱に忍ばせておくその怪獣センス。幼心にも「こいつはデキる!」なんて。
 大人向けの物を嗜み、しかもそれが玄人好み。そんな次第で。二重の意味で、H少年に畏れを為し頭を垂れる私です。(怪獣ラァーヴ)


Data :

  • メフィラス星人 : ブルマァク復刻版 限定復刻ウルトラマン生誕25周年記念 (バンダイ 1991年)

バルタン クロニクル ~H少年からの贈り物 その3~

バルタン星人  
 

 門外漢であっても「名前と両手のハサミくらいなら...」なんて、巷間に広く膾炙されている、最早ウルトラ怪獣の代名詞、バルタン星人です。写真は、バンダイから発売されたスタンダードサイズのソフビ人形で、ウルトラファンの子どもらにとって必須のアイテム。怪獣人形の中では、最も所有率が高かったのではないでしょうか。
 ご覧のとおり2体とも同じ型ですが、着彩がかなり異なります。この型が導入されたのは1983年。その後リアルな造型に刷新される1994年まで、長きに亘り採用され子どもらに愛顧され続けたロングセラー商品。その11年の間、幾度かの色彩変更で生き永らえてきたバルタン人形。カラーリングの仕様こそは、発売された年代を特定する「よすが」となります。
 手許にある『ウルトラソフビ超図鑑』(2010年ワールド・フォトプレス刊行)によると、右側の鉄紺色は1989年の仕様で価格は500円、そして左側のライトブルーは1991年発売で定価600円。100円の値上げは、湾岸戦争による石油高騰の時代背景を反映しています。紛争が絶えなかったバルカン半島から、その名を着想した“バルタン”の名。場所と年代は違えども、いずれも戦争。何だか「如何にも」な、騰勢に纏わる因縁話しですが。まあ値上げに踏み切ったのは、何もバルタン星人の人形に限ったことではないのですけれど。
 いやそんなことより、特記すべきはH少年の拘泥りでしょう。「買うものに重複無し」と母親をして驚愕させていた、飽くなき蒐集の土性骨。「バルタン星人なら持ってるでしょ」と、本来なら一蹴されてしまうところを、「この色は違う」なんて粘り倒したであろう往時のH少年に、脱帽、乾杯!(怪獣ラァーヴ)


Data :

  • バルタン星人 : 『ウルトラ怪獣シリーズ』No.01 (バンダイ 1991年)
  • バルタン星人 : 『ウルトラ怪獣シリーズ』No.25 (バンダイ 1989年)

Recommend :


生殺与奪者の面持ち ~H少年からの贈り物 その2~

ウルトラマン Cタイプ  
 

 H少年からの賜り物。第2回目は、「京本コレクション」シリーズのウルトラマンです。全高47cmと、かなり大きめの寸丈。颯爽と精悍に。こういった麗句にいちばん得心ゆくのは、矢張りこのCタイプでしょう。
 特撮ヒーローに造詣が深い俳優の京本政樹氏。氏のプロデュースによる本シリーズは、タレント企画物にありがちな骨抜き商品とは一線を劃していました。撮影用スーツに肉迫しようとした造型は、当時(今でも?)ファンの間で評価が高かったと記憶しています。
 無論その“ファン”とは、「イイ大人」を指します。やや俯き加減で静かに佇立した身構えは、好事家らをターゲットとした何よりもの証左。また5000円という、おっさんらのサラリーを掠め取るような価格設定は、リビングに安置して賞翫して貰うことが大前提であった筈です。
 なので、発売当時の1991年、間違いなく年端もゆかぬ幼児だったH君がこれを欲し、またそれを買い宛がったご両親に対し、少なからず畏敬の念を抱かずにはおれません。糅てて加えて歴戦を物語る傷み、つまり塗料の剥落。自分の半身ほどはあったであろうこの高額ソフビ人形を手に、砂場なんかでガッツンガッツンと遊び倒す児童の英姿が思い浮かぶようです。まあ、何て畏れ多い!
 遊ばれてこそオモチャの本懐。迷い無き純真から、ウルトラマンを容赦無く傷めつけてきたH少年。一方、怪獣の生命を奪う所業を、ときには躊躇した思案げなヒーロー・ウルトラマン。その生き写しである模像を、気儘に弄ぶ“子ども”こそは、世界の中心なのでしょう。久しく忘れていましたが、私自身もそうでした。(怪獣ラァーヴ)


Data :


ケトラァーヴ! ~H少年からの贈り物 その1~

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マントとフォークを欠いていますが、
それでも観賞に堪える佇まい!


 過日。とある知己の方が私の怪獣愛を知るに及び、「それならば」と、彼が実家へ帰った折り、幼少時代に蒐集していた“宝物” を、段ボールいっぱいに詰めて送り届けてくれました。ありがたいことに。
 さて、彼の幼少期は90年代前半に当該。「どんなものが飛び出すやら」と鼻息を荒げつつ開封したところ、出るわ出るわ逸品やら珍品やらがザックザク。血を滾らす珠玉の数々!
 先ず驚かされたのは、子どもが買い宛がって貰うにはちょっと高めな、つまり大人が手に入れて愉悦するような物が混在していた事です。となると怪獣の内訳も、平成物ではなく、昭和往時にブラウン管を賑わせた古参に偏向するのは畢竟。斯くて丙午生まれの琴線が、我武者羅に掻き鳴らされたって寸法です。
 そして何よりも慄然とさせられたのは、年端も行かぬ児童が「これがいい」とチョイスしたそのセンス!百聞は一見に如かず。今回採り上げたケトラーが、彼の赫々たる怪獣センスを達弁に物語っているではありませんか。自身の幼児期を鑑みても、ケトラーをサラッと選んでのける自信は...まるで無いなぁ。だって、当時から寒かったあのデーブ・スペクターですよ、デーブ。大人になった今でなら、一周回って許容する懐もありますが...。
 そんな次第で。既に立派に成人された彼からの贈り物。と言うよりは、90年代少年から賜った至宝。「恵まれている事に気付かなかった」少年のカッコイイ懐中を、以後何度かに亘って開陳してゆく所存です。(怪獣ラァーヴ)

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昭和のヤカンキャラ、ロボプー。
こちらは私物です。


 
 
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Data :

  • ケトラー : 『日清焼そばUFO仮面ヤキソバン やかんあくまケトラーあらわるソフト人形』
                                     (バンダイ 日清食品/電通 1994年)
  • ロボプー : 『HG がんばれ!!ロボコン 4』       (バンダイ            1999年)

怪獣紀行 ~ネス湖篇~

ジラース
   怪獣を求めて、いざ最果ての地へ

 1991年9月。英国を旅行した際、折角だからとネス湖まで足を伸ばした。
 ロンドンのヒースロー空港にて搭乗したのは、何とも心許無い双発のプロペラ機。有ろうことか、通路を塞ぐ補助席がバタン、バタン、バタンと!遠足のバスか?これらも尽く埋まった満席状態の機内、止しゃあ良いのに無理矢理な機内食(クラッカーとチーズとナッツ)をプロバイド。「ハイ、それでは順繰りに後ろへ回して~」と、トレイが次々と頭上を滑ってゆく。何と言う窮屈。それでも、絵に描いたような嘘っぽい緑地と沼沢群を眼下に眺めつつ、2時間足らずでネス湖最寄りの町・“インヴァネス”に無事到着した。こんな短時間のフライトで、ミールなぞ要らんだろうに。狭い思いまでして。
 曇り。気温9℃。北緯57度以上に位置する9月のインヴァネスは寒い。最早冬。備え無しの身は小刻みに震え、薄着の油断を悔いたが後の祭りだ。「世界中何処へ行っても日本人の姿」は、ここでは例外。酔狂な東洋人が珍しいのか、或いは素朴で保守的な土地柄の所為か、現地の人たちの刺すような視線が、暗鬱とした街並みに融け込んでいた。この町には晴天の日など無く、人びとは陽の目を見たことさえ無いのでは?そんな感慨もひとしお。
 それでも世界に、少なくとも日本には名立たる“ネス湖”。活況であろう観光業を想定し、事も無げな交通アクセスを当てにしていたが、これがハズレ。ネス湖行きのバスなど出ておらず、余所へ行く為に通り掛かるならまだしも、もとよりそんな辺鄙な場所を目的地とするのは、正気の沙汰ではないといった町構えだ。仕方無くタクシーを拾うも、「ネス湖へ」と申し付けたときの運転手の怪訝そうな顔つきときたら...。
 そもそも町の資金源とも成り得そうなマスコットの扱いは、ほんの申し訳程度。数軒の土産屋を覗いても、目ぼしいネッシー・グッズは見受けられなかった。何処かで見たような写真を配らった絵葉書数葉と、稚拙な作りの紙細工人形、そして相当に草臥れた塩梅の縫いぐるみ...。絵葉書の為に支払ったイギリス・ポンドも、お釣りとして返って来るのはスコットランド・ポンド。日本では“ネッシー(Nessie)”の愛称で知られるが、当地では“Loch Ness Monster”(「Loch」は、細長い水路のような湖を指す)が一般的。その呼び名からでさえ、意想外な冷遇を受けたのである。


インヴァネス
アカデミーストリート へ Go!
   町ぐるみで余所余所しい

 小規模なインヴァネスの古風な街並みは、すぐに郊外の田舎風景へと取って代わった。牧歌的と云うよりは、侘びしき落莫。あの『原子心母』(ピンク・フロイド 1970年)のアルバム・ジャケットを髣髴とさせる、ホルスタインが草地にちらほら。「怪獣を見に来たのか?」という運転手の社交辞令もそこそこに、唯空しく内燃機関の音だけが車内を征服していた。
 而して車を滑らせること数十分。勾配の緩い丘陵と立ち枯れた木々の間、出し抜けにその水域は現われた。ここがネス湖...。向こう岸が見える。川?何の感極まりも無い凡庸な景観。日本の何処か、例えば長野県とかで見たことのあるような。普通。飽くまでも普通。何でもない場所。ここに恐竜が?そんな霊妙さは微塵も無い。「ひっそり」と言うよりは、開けた土地に「呆気らかん」と。
 いい加減、もう分別有る良いオトナ。ネス湖のネッシーは絵空事。弁えている積もりではあったが、「話のネタに」なんてむらっ気。これがいけない。作り事であるにせよ、「せめて雰囲気ぐらいは」などという淡い期待は脆くも雲散霧消、弾けて飛んでどっかへ消えた。「こんな処に太古の恐竜」などというファンタジー、その介在を厘毛も許さぬ眼前の現実。斯様なロマンスの欠如を一番熟知していたのは、矢張り現地の人たちか。なれば町で感じたあのシラケように、溜飲が下がるというもの。
 「ここいらが好い眺望、“ドラマティック・ヴュー”だよ」 そう言って、キッとブレーキ。何も奇勝を望んだ訳ではなく、ネス湖に求めていたのは、ひたすらに妖しきムードだ。それが容易く裏切られても尚、「ここまで来たんだから」という貧乏性が頭を擡げた。で、運転手推薦のここいらで下車。「帰るまでここで待ってようか?」と言うスコッツの親切を辞し、1時間くらいは居ようと決心、否覚悟。が、これが大間違いの元だった。
 何となれば、ここは容赦無きカントリー・ロード。ロロロロロ~ッとタクシーが走り去った爾後、長い水路に沿った一本道にマシーン・車輌の一切、その影すら見ることも無し。「それでもそのうち、きっといつかは」なんて、これが甘い。幾葉かの景勝をカメラに収めつつも、頭上を覆っていた曇天の如く、次第にもくもくと不安が募り垂れ込める。それをよそにチチチチチ~ッと長閑な禽獣の囀り、邪魔する内燃機関の爆発音やら、兎に角人為的な音の類い合切無し。これが田舎の恐怖。しかも勝手違う異邦。糅てて加えて降雨。寒い。滅多矢鱈と寒い。ロンドンへ還るプロペラ機さえも、今は心許足る存在だ。離陸時刻を懸念。


ネス湖
   ありふれた眺め...ひたすら寒いだけ。

 見窄らしく潮垂れた日本人は、英国北方の湖畔で3時間ほど震えていた。晴天なら夕陽時か。もとより曇天・雨天だった今は、時刻の割りに更に暗くなっただけ。半遭難者にしたら、逢魔が時である。“大禍時”なら、いっそネッシー...。だがしかしその水面は、相変わらずただひたすらに雨滴を撥ね返すだけだ。何て芸の無い...。己の身勝手な心当てと不備えは棚に上げて大事に仕舞っといて、何の罪も無い平々凡々たる湖を闇雲に呪詛呪詛呪詛。そうこうするうちに闇。車をすっ飛ばして、1時間ほど掛かった道程。もはや何も無い田舎道を歩いて行こうなどという気概も挫け、膝抱えてその場に座し、居直り往生を決め込む。ガタガタガタガタ...。気温は恐らく5℃以下。
 と、夜を射抜くヘッドライト二つ。ルルルルル~ッ。間違いなく轍の回転音、内燃機関の爆発だ!大型車輌、観光バスか?ヒッチハイク経験は、以前豪州で何回か。なれど此度は命懸けの車止め、形振り構っている場合ではない。行く手に立ち塞がって大仰な手振り、眩耀の中で人影が描いた「大」の字。
 キッキィ~ッ、プッシュゥ~ッ...ドッドッドッドッ...。停まった!満身に浴びたる頼もしき光熱、幾千万カンデラに匹敵。その人工的な燭光が懐かしく、冷え切った肌に嬉しかった。自動扉が二つに折れ、最果ての地で漸うスコットランドに受け入れられた日本人。遭難未遂者を乗せて、バスは夜道を行く。いざ去らば、有り触れた湖よ。恐竜の想い出とともに。ゴメンね、呪ったりなんかして。(怪獣ラァーヴ)


おたずね怪獣03 ~from overseas~



 さて難問です。入手は確か2000年前後、渋谷のガラクタ貿易で見つけました。寸丈は6cm前後ですが、メーカーや商品名、価格諸々合切が不明です。
 もちろんウルトラ怪獣などではなく、恐らくは海外の製品なのでしょう。宇宙人(?)たちの前時代的な風采に、甚く心惹かれました。メタルナ・ミュータント『宇宙水爆戦』1955年ユニバーサル映画)をあからさまに模したものや、容貌が如何にも粗暴な半魚人風。灰皿の杖を持つメフィラス星人もどきや、果てはオリンポスの神々を融合させたようなヤツまで。と、この節操の無さ、そしてあざとさと来たら!
 どなたか彼らの素姓をご存知ありませんでしょうか?(怪獣ラァーヴ)



 

おたずね怪獣02 ギエロン星獣 ~解決済みです~

ギエロン
再生怪獣 ギエロン星獣 ~ 『ウルトラセブン』 第26話「超兵器R1号」 ラァーヴ!!  

 これも素姓不明だったのですが...。前回のガラモンの件で、牙狼の指輪さんからご教示賜ったHPに、何と此奴も居ました!可惜僥倖。なので今回は、不問のまま落着とさせて戴きます。有難うございました。
 さてこのソフビ人形ですが、半端ながらもイエローとゴールドの着色が、却って真摯な印象を与えます。ギエロン星獣は分けても好きな怪獣。斯くて琴線を震わされるチープでポップな逸品が、一好事家の手許にある次第なのです。(怪獣ラァーヴ)


Data :

  • 電池    : 『マンガン乾電池ネオ黒単2形』  (National(Panasonic)  1931 年)
  • ギエロン : 『ウルトラバラエティー5』      (ユタカ                年)

おたずね怪獣01 ガラモン ~どなたかご存知ありませんか?~

ガラモン
隕石怪獣 ガラモン ~ 『ウルトラQ』 第13話 「ガラダマ」    
                     『ウルトラQ』 第16話 「ガラモンの逆襲」ラァーヴ!!  

 少なくとも1994年頃には手許にありました。全高8㎝ちょいのソフビ人形で、首と腕が可動します。寸丈の参考までに、単2電池を並べてみました。足裏には“ガラモン”と“© 円谷プロ”の刻印があります。出所が全く分かりません。示教戴ければ欣幸の到りです。(怪獣ラァーヴ)


Data :

  • 電池    : 『マンガン乾電池ネオ黒単2形』  (National(Panasonic)  1931 年)
  • ガラモン : 『        ?         』   (    ?          19 ? ? 年)

HDM創絶アントラー

しとしとと降り頻る秋雨の中、仕事帰りの深夜2時過ぎ、買って来ましたHDM創絶。
ゼロだのダークロプスだのベリアルだの平成枠には目も呉れず、兎にも角にもアントラー2種だけを。


HDM創絶 アントラー
 顎閉じ。塗装は、砂塵が附着したイメージでしょうか。擦過したような表現がリアルで好い塩梅です。


HDM創絶 アントラー
 顎開き。こちらはノーマル(?)塗装。だったらキチン質らしい鈍色の光沢が、もっと欲しかったところ。


HDM創絶 アントラー
 両種並べて。黒過ぎ。心持青みを希求。自分の中では、HG版の着彩が“アントラー色”のベストです。


HDM創絶 アントラー
 顎閉じの頭部アップ。触角とかの細かいディテール!さすがは創絶シリーズの造型です。


HDM創絶 アントラー
 顎開きの頭部アップ。カッコイイ!


HDM創絶 アントラー
 標本みたい。



Data :

Recommend :

帝王の名折れ

5円引き 014

★ 5円引きが綴る情景 014

 「てんめェ、殴るぞこの野郎!」
 「ダンナぁ、勘弁してくだせぇ」
 そんな台詞の応酬が聴こえてきそうな一葉です。
 “宇宙の帝王”を自得するバド星人ですが。侵入した宮部邸では、黴臭い遣り口で以って、か弱き金髪夫人を怯えさせたり。ウルトラセブンに対して降参の仕草を示しながらも、油断を衝いてメリケンサック(!)で奇襲に出たり。まあ姑息な事、帝王の矜恃は何処へやら...。
 ところで『ウルトラセブン』では、「参った」と見せかけて逆襲に転じる手合いが、幾つか見受けられます。では、バド星人以外の醜類を以下に。

  • ■ ペダン星人  : 多少の非を認め和解を約束するが、あっさりと背信行為に。(第15話)
  • ■ シャドー星人 : 偽りの降伏宣言、一度ならず二度までも。           (第23話)
  • ■ プラチク星人 : 降参ポーズで欺き、背を向けたセブンに反撃。        (第30話)
  • ■ テペト     : 平身低頭で拝み謝り、手を緩めたセブンの足を掬う。    (第41話)
                                           (怪獣ラァーヴ)


ハイシ、ドードー

グビラとウルトラマン 5円引き 013

グビラとウルトラマン 5円引き 013 グビラとウルトラマン 5円引き 013

グビラとウルトラマン 5円引き 013 グビラとウルトラマン 5円引き 013  
 

★ 5円引きが綴る情景 013

 

♪グビラにまたがりおうまのけいこ♪

 強靭な怪獣を捩じ伏せる我らがヒーロー!その英姿を讃える、しかし執拗なまでの活写、5枚。全体幾種の類似写真が存在するのでしょう?
 先鋭的なウルトラマンの風貌と、流麗なアウトリッヂを描くグビラの姿態。両者が折り重なったシルエットに、モダァーンの図形が見えてくるではありませんか!?ほら。“きわめて今日的なほほえみで 流線形のスクーターへ” なんて、ハルメンズの歌じゃあないけど。(怪獣ラァーヴ)

[ハルメンズ 「リズム運動」より抜粋                 
『ハルメンズの近代体操』(1980年10月 ビクター音楽産業)収録 
作詞:太田螢一


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